JR乗車運賃の仕組みと定期券の料金について
この記事では、JR東日本の乗車運賃の計算の仕組みを、ややマニアックな事も含めてご紹介します。
なお、JR東日本の定期券の基本的な情報については、以下の記事にまとめています。
もくじ
乗車運賃は「営業キロ」で決められている
乗車運賃は、原則「営業キロ」という営業区間の距離によって決められています。
営業キロはジョルダンなどの乗り換え検索サービスを使っても確認できます。
JR東日本幹線エリア(関東・甲信越、東北、東京近郊)の普通運賃一部抜粋
多くの人がご存知だと思いますが、普通運賃は切符とIC(スイカ等) で運賃が少し違います。
IC運賃の方が必ず安いわけではなく、区間によってはIC運賃の方が2円や4円ですが高い場合もあります。
営業キロ:km | 切符運賃()内はIC運賃:円 |
1~3 | 150(147) |
4~6 | 190(189) |
7~10 | 200(199) |
11~15 | 240(242) |
16~20 | 330(330) |
21~25 | 420(418) |
26~30 | 510(506) |
31~35 | 590(594) |
36~40 | 680(682) |
41~45 | 770(770) |
46~50 | 860(858) |
51~60 | 990(990) |
61~70 | 1,170(1,166) |
71~80 | 1,340(1,342) |
81~90 | 1,520(1,518) |
91~100 | 1,690(1,694) |
101~120 | 1,980(1,980) |
※2019年10月1日改訂時のものです。参照:https://www.jreast.co.jp/consumption-tax2019/pdf/usually_main.pdf
同区間内の通勤定期運賃一部抜粋
今度は通勤定期券(一般的な定期券)の運賃です。
営業キロ:km | 1ヵ月:円 | 3ヵ月:円 | 6ヵ月:円 |
1~3 | 4,620 | 13,170 | 22,160 |
4~6 | 5,600 | 16,000 | 26,920 |
7~10 | 5,940 | 16,930 | 28,520 |
11~15 | 7,260 | 20,690 | 34,840 |
16~20 | 9,900 | 28,210 | 47,520 |
21~25 | 12,540 | 35,730 | 60,180 |
26 | 14,750 | 42,040 | 72,860 |
27~30 | 15,010 | 42,810 | 72,860 |
31 | 17,100 | 48,730 | 85,540 |
32 | 17,560 | 50,030 | 85,540 |
33~35 | 17,810 | 50,750 | 85,540 |
36 | 19,330 | 55,080 | 98,220 |
37 | 19,780 | 56,390 | 98,220 |
※2019年10月1日改訂時のものです。参照:https://www.jreast.co.jp/consumption-tax2019/pdf/commuting_main.pdf
1ヵ月の通勤定期でもとをとるには、1か月間に27~30回乗る必要があります。
また、乗車距離が長い方が定期券のお得度が増す傾向があります。
区間 | 片道運賃(切符) | 定期運賃(1か月) | 定期運賃÷乗車運賃 |
JR東京駅⇔JR品川駅 | 170円 | 5,270円 | 31(回) |
JR東京駅⇔JR横浜駅 | 480円 | 14,170円 | 29.5(回) |
JR東京駅⇔JR大宮駅 | 570円 | 16,110円 | 28.3(回) |
JR東京駅⇔JR木更津駅 | 1,340円 | 35,600円 | 26.6(回) |
上の表のように、東京⇔品川間ならば、1か月定期券の元をとるのに31回乗車する必要がありますが、東京⇔木更津間なら27回で元がとれます。
しかし、必ずしも「距離が長くなれば長くなるほど定期券がお得になる」わけではなく、26~27回が限界ラインです。
また、1か月定期に比べ、3ヵ月定期、6ヵ月定期は割引率が上がります。
3ヵ月定期は1ヵ月あたりに換算すると、1ヵ月定期より5~7%ほど安くなります。
6ヵ月定期はさらにお得で、1ヵ月あたりは、1か月定期より20%前後安くなっています。
普通運賃が同じでも定期代が同じとは限らない
先ほどの運賃表を見比べるとわかりますが、普通運賃と定期運賃の営業キロの ”刻み方” が少し違っています。
例えば、普通運賃は「31~35キロは590円」であるのに対し、定期運賃は「31キロは17,100円、32キロは17,560円・・・」といった具合に細かく刻まれています。
その為、普通運賃が同じ区間でも、定期運賃が異なるという事があります。
具体例を挙げますと、「JR平塚駅から関内駅」と「JR平塚駅から石川町駅」の場合、下の表のようになります
営業キロ | 普通運賃(IC運賃) | 定期運賃(通勤1ヵ月) | |
平塚駅→関内駅(横浜経由) | 38キロ | 682円 | 20,170円 |
平塚駅→石川町駅 (横浜経由) |
38.8キロ | 20,460円 |
※2019年10月改定時の料金です
定期運賃は普通運賃に比べ、乗車距離(営業キロ)を「短くした方がより安くなる」わけです。
定期券は乗換えを工夫する事でも安くなる
普通運賃と定期運賃の違いはそれだけではありません。
例えば、先ほどのパターンは横浜駅経由でしたが、大船駅で乗り換えると営業キロを減らせるため、定期運賃がさらに安くなります。
ただし、京浜東北線の乗車区間が増えると、乗車時間は若干増えます。
営業キロ | 普通運賃(IC料金) | 定期運賃(通勤1ヵ月) | 乗車時間 | |
平塚駅→関内駅(横浜経由) | 38キロ | 682円 | 20,170円 | 約37分 |
平塚駅→石川町駅 (横浜経由) |
38.8キロ | 20,460円 | 約41分 | |
平塚駅→関内駅(大船経由) | 36.4キロ | 19,780円 | 約41分 | |
平塚駅→石川町駅 (大船経由) |
35.6キロ | 19,330円 | 約42分 |
※2019年10月改定時の料金です
ちなみにこの場合、大船経由の定期券ですと東海道線の「戸塚駅」「横浜駅」は利用できません。
反対に、横浜経由の場合は京浜東北線の「新杉田駅」や「磯子駅」が利用できません。
普通運賃には「どの駅を経由するか」は料金に反映されませんが、定期運賃の場合、ルートによっては「経由する駅」も見極める必要があります。
以上、乗車運賃と定期券のご紹介でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
定期券や乗車賃を安く・お得にする方法は以下の記事でもまとめていますので、よろしければご覧ください。