JR乗車運賃の仕組みと定期券の料金について

2019-10-10

この記事では、JR東日本の乗車運賃の計算の仕組みを、ややマニアックな事も含めてご紹介します。

 

なお、JR東日本の定期券の基本的な情報については、以下の記事にまとめています。

 

乗車運賃は「営業キロ」で決められている

乗車運賃は、原則「営業キロ」という営業区間の距離によって決められています。

営業キロジョルダンなどの乗り換え検索サービスを使っても確認できます。

 

JR東日本幹線エリア(関東・甲信越、東北、東京近郊)の普通運賃一部抜粋

多くの人がご存知だと思いますが、普通運賃は切符とIC(スイカ等) で運賃が少し違います。

IC運賃の方が必ず安いわけではなく、区間によってはIC運賃の方が2円や4円ですが高い場合もあります。

営業キロ:km 切符運賃()内はIC運賃:円
1~3 150(147)
4~6 190(189)
7~10 200(199)
11~15 240(242)
16~20 330(330)
21~25 420(418)
26~30 510(506)
31~35 590(594)
36~40 680(682)
41~45 770(770)
46~50 860(858)
51~60 990(990)
61~70 1,170(1,166)
71~80 1,340(1,342)
81~90 1,520(1,518)
91~100 1,690(1,694)
101~120 1,980(1,980)

※2019年10月1日改訂時のものです。参照:https://www.jreast.co.jp/consumption-tax2019/pdf/usually_main.pdf

 

 

同区間内の通勤定期運賃一部抜粋

今度は通勤定期券(一般的な定期券)の運賃です。

営業キロ:km 1ヵ月:円 3ヵ月:円 6ヵ月:円
1~3 4,620 13,170 22,160
4~6 5,600 16,000 26,920
7~10 5,940 16,930 28,520
11~15 7,260 20,690 34,840
16~20 9,900 28,210 47,520
21~25 12,540 35,730 60,180
26 14,750 42,040 72,860
27~30 15,010 42,810 72,860
31 17,100 48,730 85,540
32 17,560 50,030 85,540
33~35 17,810 50,750 85,540
36 19,330 55,080 98,220
37 19,780 56,390 98,220

※2019年10月1日改訂時のものです。参照:https://www.jreast.co.jp/consumption-tax2019/pdf/commuting_main.pdf

 

1ヵ月の通勤定期でもとをとるには、1か月間に27~30回乗る必要があります

また、乗車距離が長い方が定期券のお得度が増す傾向があります。

区間 片道運賃(切符) 定期運賃(1か月) 定期運賃÷乗車運賃
JR東京駅⇔JR品川駅 170円 5,270円 31(回)
JR東京駅⇔JR横浜駅 480円 14,170円 29.5(回)
JR東京駅⇔JR大宮駅 570円 16,110円 28.3(回)
JR東京駅⇔JR木更津駅 1,340円 35,600円 26.6(回)

上の表のように、東京⇔品川間ならば、1か月定期券の元をとるのに31回乗車する必要がありますが、東京⇔木更津間なら27回で元がとれます。

しかし、必ずしも「距離が長くなれば長くなるほど定期券がお得になる」わけではなく、26~27回が限界ラインです。

 

また、1か月定期に比べ、3ヵ月定期、6ヵ月定期は割引率が上がります。

3ヵ月定期は1ヵ月あたりに換算すると、1ヵ月定期より5~7%ほど安くなります。

6ヵ月定期はさらにお得で、1ヵ月あたりは、1か月定期より20%前後安くなっています。

 

 

 

普通運賃が同じでも定期代が同じとは限らない

先ほどの運賃表を見比べるとわかりますが、普通運賃と定期運賃の営業キロの ”刻み方” が少し違っています。

例えば、普通運賃は「31~35キロは590円」であるのに対し、定期運賃は「31キロは17,100円、32キロは17,560円・・・」といった具合に細かく刻まれています。

その為、普通運賃が同じ区間でも、定期運賃が異なるという事があります。

 

具体例を挙げますと、「JR平塚駅から関内駅」と「JR平塚駅から石川町駅」の場合、下の表のようになります

  営業キロ 普通運賃(IC運賃) 定期運賃(通勤1ヵ月)
平塚駅→関内駅(横浜経由) 38キロ 682円 20,170円
平塚駅→石川町駅
(横浜経由)
38.8キロ 20,460円

※2019年10月改定時の料金です

 

 

定期運賃は普通運賃に比べ、乗車距離(営業キロ)を「短くした方がより安くなる」わけです。

 

 

定期券は乗換えを工夫する事でも安くなる

普通運賃と定期運賃の違いはそれだけではありません。

例えば、先ほどのパターンは横浜駅経由でしたが、大船駅で乗り換えると営業キロを減らせるため、定期運賃がさらに安くなります。

 

ただし、京浜東北線の乗車区間が増えると、乗車時間は若干増えます

 

  営業キロ 普通運賃(IC料金) 定期運賃(通勤1ヵ月) 乗車時間
平塚駅→関内駅(横浜経由) 38キロ 682円 20,170円 約37分
平塚駅→石川町駅
(横浜経由)
38.8キロ 20,460円 約41分
平塚駅→関内駅(大船経由) 36.4キロ 19,780円 約41分
平塚駅→石川町駅
(大船経由)
35.6キロ 19,330円 約42分

※2019年10月改定時の料金です

 

ちなみにこの場合、大船経由の定期券ですと東海道線の「戸塚駅」「横浜駅」は利用できません。

反対に、横浜経由の場合は京浜東北線の「新杉田駅」や「磯子駅」が利用できません。

 

普通運賃には「どの駅を経由するか」は料金に反映されませんが、定期運賃の場合、ルートによっては「経由する駅」も見極める必要があります。

 

以上、乗車運賃と定期券のご紹介でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

 

定期券や乗車賃を安く・お得にする方法は以下の記事でもまとめていますので、よろしければご覧ください。