JR東日本 定期券の基本情報(種類・仕組み・購入方法)
SuicaやモバイルSuicaなど、JR東日本は便利なサービスを広げています。
その一方で、仕組みが複雑化し、定期券一つとっても様々な種類とタイプがあります。
そこでこの記事では、JR東日本の定期券について、基本的な仕組みをまとめました。
もくじ
定期券の種類
一般的に「定期券」と言えば、通勤定期券か通学定期券を指します。
しかし、以下のとおり、JR東日本には意外と多くの定期券が存在します。
- 通勤定期券
- 通学定期券
- グリーン定期券(特別車両定期乗車券)
- 連絡定期券
- こども用定期券
- FREX定期券(通勤用新幹線定期券)
- FREXパル定期券(通学用新幹線定期券)
「普通の定期券」として最もよく使われているのが「通勤定期券」です。”通勤”という名前ですが、用途は自由です。
一方、学割が受けられる定期券が「通学定期券」です。購入するには学校が発行する「通学証明書」か「通学定期券購入兼用証明書」が必要です。
通勤定期券と比べた際の値段はおおよそ、「大学生の場合:55%」「高校生:50%」「中学生:40%」となっています。
「グリーン定期券」はグリーン車を利用できるグリーン券が一体になった定期券です。
グリーン車を多く利用する人にとって便利と思われがちですが、「多く乗らないともとがとれない(50km以上の距離で月に43回以上)」「6ヵ月定期が存在しない(3ヵ月定期まで)」という使い勝手の悪さもあり、利用している人は少ないようです。
「連絡定期券」とは、JR線と他社(私鉄・地下鉄)にまたがる定期券です。
普通は「通勤定期券」と区別して考える事はありません。
「こども用定期券」とは文字通り”こども”が利用できる定期券です。
JR東日本を利用する際の”こども”とは「6歳~12歳の小学生」を指し、大人料金の半額で乗車できます。
こども用定期券についても、学割対象の「通学定期券」と一般の「通勤定期券」があります。
「FREX定期券」「FREXパル定期券」とは、それぞれ通勤用と通学用の新幹線の定期券です。
定期券のタイプ
定期券には3つのタイプ(形) があります。
- Suica定期券
- 磁気定期券
- モバイルSuica定期券
それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。
Suica定期券
Suica定期券とは、Suicaカードに定期券の機能を持たせたものです。
メリット
- 購入・利用が簡単(スマホやクレジットカードが無くても作れます)
- スイカとしても利用可能
- 乗車でJREポイントが貯まる(JRE POINT WEBサイトhttps://www.jrepoint.jp/ への登録が必要です)
デメリット
- デポジット(預かり金) 500円が必要(解約時に返却されます)
- チャージや残高確認をする際、自動券売機等を利用しなければならない
- モバイルスイカに比べるとJREポイントが貯まらない(定期券の購入ではJREポイントが貯まりません)
その他
一部のビューカード(Suicaと一体になったクレジットカード)には、定期券機能を付加する事ができます。
詳細はビューカードのこちらのページをご参照ください https://www.jreast.co.jp/card/function/teiki/
磁気定期券
Suica登場前から存在する、昔ながらの定期券です。
メリット
- 購入・利用が簡単(スマホやクレジットカードが無くても作れます)
- デポジットの500円が不要
デメリット
- 改札をタッチで通れない
- JRE ポイントを貯められない
不便なこちらを選ぶ人は少なくなっていると思われますが、「定期券機能しかない」シンプルな作りなので「キャッシュレスの流れに逆らってでも現金派を貫く」という人にとっては都合がいいかもしれません。
モバイルSuica定期券
スマートフォンのアプリに登録したSuica定期券です(一部のガラケーにも搭載可能です)。
高い利便性とJREポイントの優遇がありますが、利用には注意する点も少なくありません。
私もモバイルSuicaを活用しています。
メリット
- スマホ一つで改札通過やSuicaでの買い物ができる
- スマホ(インターネット上)で定期券の購入・継続・払い戻しができる
- スマホでSuicaの残高確認や利用履歴の確認、Suicaのチャージができる
- JREポイントをお得に貯める事ができる(定期券の購入でJREポイントが2%分還元されます!)
- デポジット500円が不要(その代わり、モバイルSuica新規発行の場合は最初に1,000円以上のチャージが必要です)
デメリット
- 対応する機種(iPhoneの場合はiPhone7以降、Androidスマホの場合は”おサイフケータイ”機能付きスマホ)が必要
- スマホの電池切れ・破損・紛失があったら使えない(特に乗車中の電池切れには要注意)
- 機種変更する際に手続きが必要
JREポイントについての詳細は、以下の記事で書いています。
定期券の買い方(モバイルSuica以外)
モバイルSuica以外の定期券は、次の場所で購入する事が出来ます。使用開始日の14日前から購入可能です。
- 指定席券売機
- 多機能券売機
- みどりの窓口
通学定期券やこども用定期券は、基本的には「みどりの窓口」でしか買えません。
また、「ネットde定期」というサービスを利用すれば、ネットで事前に購入内容を入力した上で、みどりの窓口や券売機で受取ができます。
(「ネットde定期」を使えば定期券の運賃照会もできます)
ネットde定期 http://www.jreast.co.jp/net-de-teiki/
モバイルSuica定期券の買い方
購入から利用まで、すべてスマホ上で完結するのがモバイルSuicaの特徴です。
購入・継続はもちろん、区間の変更や払い戻しもスマホ上で完結します。
モバイルSuicaについての詳細は、以下の記事で書いています。
定期券の有効期間と割引率、払い戻しについて
JR東日本の定期券の有効期間は「1ヵ月」「3ヵ月」「6ヵ月」の3種類があります。
6ヵ月定期の割引率が大きい
長い期間を選んだ方が割引率が高いですが、6ヵ月は特に割引率が高くなっています。
例:JR東日本 営業キロ:30kmの場合の通勤定期運賃の比較
片道切符運賃は506円(IC運賃)
通勤定期運賃:円 | 1ヵ月あたりの運賃:円 ( )内は1ヵ月定期との比較 |
|
1ヵ月定期 | 15,010 | 15,010(100%) |
3ヵ月定期 | 42,810 | 14,270(約95%) |
6ヵ月定期 | 72,860 |
12,143(約81%) |
※2019年10月1日に改訂された運賃を参照しています https://www.jreast.co.jp/consumption-tax2019/pdf/commuting_main.pdf
定期券の払い戻しの仕組み
有効期間が1か月以上残っている場合のみ払い戻しが可能です。
払い戻し額の計算方法
「定期券発売額」ー「使用済月数分の定期運賃(端数日は切り上げ)」―「手数料220円」となります。
例えば6ヵ月定期で残り2ヵ月残っている状態で払い戻しする場合、6ヵ月定期代ー(3ヵ月定期代+1ヵ月定期代)-220円となります。
買い間違い等の場合は、有効期間開始後7日以内に限り日割り計算で払い戻しとなります。
払い戻しの方法
自動券売機では払い戻しができません。「みどりの窓口」等を利用する必要があります。
窓口での払い戻しでは、本人確認ができる書類が必要です。本人以外が払い戻しする場合には代理人に「委任状」などの公的証明書が必要となります。
また、クレジットカードで支払っていた場合、本人以外は払い戻しできず、購入に使ったクレジットカードを用意する必要があります。
一方、モバイルSuicaでしたらスマホ上で払い戻しが完結します(払い戻しは、手数料を引かれた金額が指定した銀行へ振り込まれます)。
定期券の割引額やお得な購入方法については、以下の記事にまとめました。
定期券の金額の決まり方
乗車運賃は、基本的には「営業キロ」と呼ばれる乗車距離に対応して決まっています。
詳細については、以下の記事にまとめています。
以上、知っているようで意外に知らない定期券の基本情報でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m